犬派のママさん猫に会う
「猫カフェに行こう!」
今年のゴールデンウィークにパパさんが言った。
ママさんは、犬派の柴犬派で、猫には興味がなく、
猫のいる友人宅に遊びに行っても、特にかわいいと思うこともなかった。
けれど、普段あまり「こうしよう!」と言わないパパさんの誘い言葉にママさんは、
「お、おう!」
とお返事した。
外国のお客さんも多く、名前のあるような種類の立派な猫ちゃんばかり。
嬉しそうに猫の動きを見守るパパさんとはうらはらに、
やっぱり、ママさんは特にズキュンとくる訳でもなく、帰ってきた。
「保護猫カフェに行こう!」
ゴールデンウィーク後半にパパさんからのまたの提案。
今度は、下のお兄ちゃん(小5)を携えて3人でいってみた。
カフェ入店の最初のアンケートで「里親になりたい」にするっと◯をするパパさん。
なんとも、現実感のないママさん。
甘えん坊の下のお兄ちゃんは、絶対犬派だと思われていたのだけれど、
意外にも甘えてくる子より、威嚇をしてくる猫ちゃんに興味をもっていた。
「ママ、ママ!あの子、っパーーーっ!!って言うんだよ」
と真似まで上手。
なんだか、取り残された気分のママさん。
あれよあれよと話は進み、「これは現実なのか!?猫を飼うのか!?」
と戸惑いながらも、いつも出迎えてくれる大きな甘えん坊の茶トラ猫ちゃんを引き取ることに・・・・
・・・・と思いきや、
そのトラ猫ちゃんはまだ安定しておらず、もう少し様子を見たいということで、
保護主さんとカフェスタッフの方々の進言もあり、
いつも高いところでじっとしていた、その兄弟猫ちゃんが来ることになった。
(全然、馴染みのない子が来ちゃうんだ・・・)
パパさんは張り切って、キャットタワーを設置したり、
網戸を猫仕様のものに張り替えたりし、
ママさんは、雑然混沌とした家の中を「クリア」にするのに必死だった。
すんなり移行できるように、保護猫カフェで使われてるグッズもそろえた。
なんだか、ママさんは出産前みたいに心配が絶えず、落ち着かない。
トライアルが始まる当日は、上のお兄ちゃん(高2)も揃って全員でお出迎えした。
最初は怯えちゃうかと思いきや、ナデナデされたら甘えてごろんして「にゃーー」。
ちょっとホッとした。
リュカくん。4歳、大きな体の茶トラ保護猫ちゃん。
縁あって、家族だね。